季節のコラム
 
 ■   妊娠出産とお口の中
   
 
 
最近気のせいか、お腹の大きい妊婦さんを多く見かけるようになりました。かく言う当院でも、長い間、受付や衛生士業務を行っていてくれたスタッフが今年2月、8月とあいついで出産をむかえ、さながらちょっとしたベビーブ ームです。昔から出産すると歯が悪くなると言われていますが、決して 妊娠出産とお口の中
赤ちゃんにカルシウムをとられているわけではないのです。
しかし、たしかに妊娠、出産を期に、虫歯や歯周病が悪化する方は多くいます。
妊娠初期は、つわりで歯ブラシができなくなったり、空腹になると吐き気がするため、あめやガムなどを口に入れる回数が増えます。また、出産後期には一度に食べられなくなるため、何回も食事する事になるので虫歯になるホルモンのバランスが変わったり出産後の睡眠不足から、歯肉が腫れて歯周病が進行する、など、お口の中の環境がかなり悪くなります。それに加えて出産後も幼稚園に入園するまではなかなか治療に通えません。出産が2人目、3人目と続くと何年もほったらかしにしてしまうことになります。その結果歯がボロボロになるのです。
妊娠中期の、安定期になると「この時期に治療しておこう」と治療にいらっしゃる方が多いです。簡単な虫歯の治療や歯石除去、歯ブラシや食生活の指導は可能ですが、レントゲンでのチェック、外科処理、薬を飲む事などは行わない方がよいので、充分な治療ができないことがあります。ですから結婚前の方や妊娠する可能性のある方は、
妊娠前にしっかり治療や指導をうけ、お口の中の状態を知っておくことが大切
だと言えます。
また、お母さんのタバコが赤ちゃんにおよぼす悪影響は言うまでもありませんが、最近は、お母さんの歯周病が赤ちゃんにおよぼす悪影響が問題(重度な歯周病であると早産や未熟児になる可能性が高いという研究結果も出ています。)になっています。
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